田無の学習塾に通う弟

そろそろ、弟も大学受験を考え始める年頃になったようである。
ついこの間までは、テレビの前でゲームばっかりしていたけれど、最近は部屋にこもりきり。
部屋にはテレビもパソコンもないので、携帯をいじっていなければ、しっかり受験勉強をしていることだろう。
確かに、夜中トイレに起きても、ドアの隙間からはいつも光がこぼれていて、その隙間からは、シャープペンシルが紙の上を走る音や、消しゴムを使って字を消している時に揺れる机の音などが漏れて聞こえてくる。
それを目にするたびに、私はなんだか弟が急に大人になったようで、嬉しくもあり、ほんの少し寂しくなったりもする。
最近は、弟は田無の学習塾に通うようになり、そもそも家に帰ってくるのがだいぶ遅くなった。
私もきっと受験生だった頃は同じような生活をしていたはずで、そのたびに辛い思いをしていたのだろうけど、今となってはすっかりそのことを忘れてしまった。
喉元過ぎればなんとやらということだろうか。
大学生になった今、私は、授業を時々寝坊してすっぽかしてしまう以外は、真面目に勉強している。
誰にもナイショだけど。